「匂う」は、元来は臭覚に関する言葉ではなかった。それは色が美しく映えるという意味だった。「ニホフ」の「ニ」は「丹」であり、赤い色のことである。「ホ」は「秀」、すなわち、際立つということであった。(「はじめに」より)ということで、「匂う」はもともと視覚的な言葉だった「ニホフ」が転じて、 香り際立つの方向へとシフトしていったとのこと。
そんな状況は、研究のフィールドでも同じ。感覚の王は視覚で、臭覚は最も原始的な、下等な感覚と思われていたのだそうです。それが、1991年に「臭覚受容体」と呼ばれる匂いセンサーの遺伝子が発見されたことで一変、一躍ホットな研究分野へと変貌していきます。
臭覚研究の歴史をひもときつつ、匂いにまつわるさまざまなトピック、そして最先端の研究まで、匂いのワンダーワンドをぜひご堪能ください。
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