2011年8月26日金曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-006

すごい雨ですね(@市ヶ谷)。
というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第6回は、『都市型集中豪雨はなぜ起こる? −台風でも前線でもない大雨の正体−』(三上岳彦・著)です。




雨はどうして降るのか? といった素朴な疑問から、都市型集中豪雨の起こるメカニズム、都市型豪雨(による災害)をふせぐ方法(対策)にまで言及しています。
ぜひお手にとってご覧ください。

2011年8月19日金曜日

『理系なお姉さんは苦手ですか?』書評掲載

先日(8月17日)の日本経済新聞夕刊、書評欄(「目利きが選ぶ今週の3冊」)にて、『理系なお姉さんは苦手ですか?』を取り上げていただきました。





 竹内薫さま、どうもありがとうございました。



2011年8月17日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-005

本日8月17日は、フェルマーの誕生日です(1601年8月17日といわれている)。Googleのロゴも「フェルマーの最終定理」がテーマとなっております。


というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第5回は、『人に話したくなる数学おもしろ定理』(関根章道・著)です。



前回紹介した、『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』と同様、本書の「おもしろ定理」もまずは「ピタゴラスの定理」の解説からはじまります。「いとへん(糸)」の漢字を思いつくだけ書きなさい、という問題のように、「○○の定理」を思いつくだけ書きなさいという問題が出たとしたら、やはり一番に書くのはピタゴラスの定理(三平方の定理)ではないでしょうか? そして、その次あたりが「フェルマーの最終定理」、いや、余弦定理とか二項定理、チェバとかメネラウスとか、人によってもいろいろでしょうが。

さて、そのフェルマーの最終定理のかげにかくれてあまり一般に知られていないかもしれない「フェルマーの小定理」というのがあります。本書でも紹介されていますので、ちょっと引用してみましょう。

フェルマーの小定理
pを素数とし、apの倍数でない整数(apは互いに素)とするときに、
 ap-1-1はpの倍数
となる。

pを5、aを3とすると、
35-1-1=34-1=81-1=80
となり、5の倍数になります。

フェルマーの小定理は、ドイツのライプニッツによってはじめて証明されたそうですが、その使い方はいかに、というわけで以下のような例が載っています。

「2100を97で割ると余りはいくつ?」と聞かれたら、大変な計算をしなくてはなりません(ちなみに2100は31桁の数になります)。フェルマーの小定理を使うと、p=97で297-1-1は97の倍数となるので、……

というわけで、続きは是非本書でお確かめください。

2011年8月16日火曜日

『大気の進化46億年 O2(さんそ)とCO2(にさんかたんそ)』近日発売

田近英一・著『大気の進化46億年 O2(さんそ)とCO2(にさんかたんそ)』が8月20日より発売になります。
私たち生命に欠かせない酸素と二酸化炭素。まさに空気のような存在である2つの物質が現在のように動的平衡状態にある不思議さ、どこからやってきて、どこへいくのか。46億年の地球史を考えるうえでも、今後の地球環境や地球外生命の存在を考えるうえでも、必読の書です。





2011年8月15日月曜日

今週末は「サイエンスを諦めきれない人たち」

以前からお伝えしておりますが、今週末8月20日(土)19:30~、ジュンク堂書店 池袋本店4階カフェにて、トークイベント「サイエンスを諦めきれない人たち」を行います。
まだ、若干席に余裕があるようですので、もしご興味のある方は、急いで予約をお願いいたします。

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『理系なお姉さんは苦手ですか?』発売記念
内田麻理香先生×小島寛之先生トーク&サイン会
日時:8月20日(土)19:30~(19:00開場)
場所:ジュンク堂書店 池袋本店4階カフェ
定員:40名
入場料:1000円(ワンドリンク付き)
お申し込みは池袋本店1Fサービスカウンターまで(電話:03-5956-6111)。
詳細はジュンク堂書店様のページをご覧ください。

2011年8月11日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-004

「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第4回は、『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論――時空の謎を解く双曲幾何』(見城尚志、佐野茂・著)です。




ピタゴラスの定理(三平方の定理)をみなさんは覚えてますか? 直角三角形に関する定理でポップにも書かれているような式で表されるものです。このような数の組み合わせには、すぐ思いつくもので(3,4,5)などがあります。3の2乗(9)+4の2乗(16)=5の2乗(25)です。このような自然数の組はピタゴラス数と呼ばれ、たとえば(5,12,13)などがあります。お時間があればピタゴラス数をいろいろと探してみると面白いかもしれません。
では、これが3乗になったらどうなるでしょうか? 実は解はないそうです(3以上の場合、自然数解がない)。これが、1994年にワイルズによって解決されたフェルマー予想(フェルマーの最終定理)と呼ばれるものです。こちらの証明については余白もないのでまたにしたいと思いますが(笑)、ピタゴラスの定理の証明って、みなさんは考えたことがありますか? 公式をただ覚えただけって方も多いでしょうか?
ピタゴラスの定理の証明方法は、実に何百種類もあるそうです。簡単なものだと相似形を使ったものがあります。アインシュタインが12歳のときに自身で証明したのも、相似を利用したものだったそうです。実際の証明については本書で確認してみてください。
歴史的にみると、ピタゴラスのあとにギリシアでは幾何学が発展することになりますが、その極みがユークリッドの登場、そして『原論』(ユークリッド原論)という形でまとめられた数学書の誕生です。ユークリッド幾何学といわれるのものはこの中に含まれています。特に有名なのが「平行線の公理」と言われるもので、これを端緒として、やがて(といっても数千年を経て)非ユークリッド幾何へと発展していくわけですが、その数学としての発展と、アインシュタインの相対性理論というのがいかに結びついていくか、といったところが本書の醍醐味でもあります。

弊社のウェブ(gihyo.jp)に、
書籍『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』をより面白く、深く読んでいただくための補講(全16回)
が掲載されています。是非ご一読いただければと思います。記事の最後に著者による「本書の意義」が記されていますので、最後にこちらを引用しておきましょう。

(1)特殊相対性理論と非ユークリッド幾何の結びつけ
相対性理論のほとんどというよりすべての本が、特殊相対性理論のあとで一般相対性理論と非ユークリッド幾何とを結びつけています。つまり、重力とは空間の曲がりであるとする理論ですが、そこで初めてリーマンの非ユークリッド幾何が登場します。たしかに、アインシュタインがクラスメートでETHの数学の教授になっていたグロスマンの手ほどきでリーマン幾何を勉強したのは1910年ごろからでしたし、相対性理論をさらに発展させて重力の問題をテーマにするときでした。
実は、本書はアインシュタインも気づいていなかった数学を語ったとも言えます。リーマン幾何は双曲幾何だけなくユークリッド幾何も球面幾何も統合した幾何です。特殊相対性理論の時空は双曲幾何空間の典型的な事例だったのです。数学者によって人工的に作られたと思われた非ユークリッド空間が実は宇宙空間だったという物語です。これをまとまった形で語ったのは本書が世界初だと思います。 
(2)これをカットなしに高校生の数学レベルの数学で論じきった。
この類の本の著者や編集者は、多くの読者には難しいだろうから数式やその解説をカットして日常用語で無理に語ろうとするために、かえってわかりづらくなります。しっかり語る本が高校生のために必要です。湯川は、第三高等学校時代に、図書館にドイツから送られてくる物理学雑誌を、鼠が餌をかじるように読んでいたということです。そのうちに量子力学の発展のために自分の出番がなくなってしまうのではないかと不安でならなかったとも書いています。今だってそういう高校生がいるはずです。そういう若人に満足していただける本がなくてはいけないと思います。

2011年8月8日月曜日

『理系なお姉さんは苦手ですか?』見本出来

先日もお伝えしました、『理系なお姉さんは苦手ですか?』の見本誌ができてまいりました!
発売は8月12日となっております。
8月20日にはジュンク堂書店池袋本店にて発売記念イベントも予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。