というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第5回は、『人に話したくなる数学おもしろ定理』(関根章道・著)です。
前回紹介した、『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』と同様、本書の「おもしろ定理」もまずは「ピタゴラスの定理」の解説からはじまります。「いとへん(糸)」の漢字を思いつくだけ書きなさい、という問題のように、「○○の定理」を思いつくだけ書きなさいという問題が出たとしたら、やはり一番に書くのはピタゴラスの定理(三平方の定理)ではないでしょうか? そして、その次あたりが「フェルマーの最終定理」、いや、余弦定理とか二項定理、チェバとかメネラウスとか、人によってもいろいろでしょうが。
さて、そのフェルマーの最終定理のかげにかくれてあまり一般に知られていないかもしれない「フェルマーの小定理」というのがあります。本書でも紹介されていますので、ちょっと引用してみましょう。
フェルマーの小定理
pを素数とし、aをpの倍数でない整数(aとpは互いに素)とするときに、
ap-1-1はpの倍数
となる。
例
pを5、aを3とすると、
35-1-1=34-1=81-1=80
となり、5の倍数になります。
フェルマーの小定理は、ドイツのライプニッツによってはじめて証明されたそうですが、その使い方はいかに、というわけで以下のような例が載っています。
「2100を97で割ると余りはいくつ?」と聞かれたら、大変な計算をしなくてはなりません(ちなみに2100は31桁の数になります)。フェルマーの小定理を使うと、p=97で297-1-1は97の倍数となるので、……
というわけで、続きは是非本書でお確かめください。
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