2011年12月27日火曜日

「バク論!」シリーズのホームページができました

以前にも、少し紹介しました、サイエンスオピニオン書籍「バク論!」シリーズのホームページができました。
http://gihyo.jp/book/sp/01/bakuron

「バク論!」シリーズ第一弾は、『人の死なない世は極楽か地獄か』。
2011年を振り返ると、あらためて生と死というものを深く考えさせられる年でもありました。
そんないまだからこそ、一人の人間として、また一個の生物として、
生きる(もしくは死ぬ)ということについて、 
見つめなおしてみるのもよいのではないでしょうか。

ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。

2011年12月22日木曜日

『虚数と複素数から見えてくるオイラーの発想』『ニュースの科学用語これでわかった!』見本出来

知りたい!サイエンスシリーズ、『ニュースの科学用語これでわかった!――180字で理解する、今さら聞けない科学と技術の基礎知識』そして『虚数と複素数から見えてくるオイラーの発想――e,i,πの正体』の見本ができてまいりました。


『ニュースの科学用語これでわかった!』は12月27日、『虚数と複素数から見えてくるオイラーの発想』は12月29日発売予定となっております。
冬休みのお供に、いかがでしょうか。

2011年12月21日水曜日

そういえば、ナダールの穴(後編)

以前、長沼毅先生が出演されたテレビ番組「ナダールの穴」のことをお伝えしましたが、その後編が、来年の1月9日(月)深夜1:05~放送されるようです。

どうぞお楽しみに!

2011年12月12日月曜日

『バカな研究を嗤うな』見本出来

みなさんは先日の皆既月食ご覧になったでしょうか? 見損なったという方はこちらをご覧ください。気分は味わえるのではないかと思います。

さて、tanQブックスシリーズ 『バカな研究を嗤うな』(藤田紘一郎・著)の見本ができてまいりました。

寄生虫博士こと藤田紘一郎先生の生い立ちから研究ヒストリーまで、一気に楽しめます。逆境にめげず、マイナーな研究人生を歩んできた、藤田先生ならではのおもしろくてためになる本です。

2011年12月8日木曜日

バク論!「人の死なない世は極楽か地獄か」見本出来

「バク論!」シリーズ第一弾、『人の死なない世は極楽か地獄か』の見本が出来てまいりました。


「社会とサイエンスをむすぶ激突!言論バトル」ということで、監修に池田清彦氏を迎え、著者陣も『ゾウの時間 ネズミの時間』などでおなじみの本川達雄氏はじめ、武田邦彦氏、安保徹氏、上田紀行氏など多彩なメンバーで、さまざま立場から寿命論を語っていただいております。


 


発売は、12月14日になります。赤穂浪士の討ち入りと聞いたら、思い出してください。
よろしくお願いします。

2011年12月2日金曜日

『眠れなくなる進化論の話』見本出来

知りたい!サイエンスシリーズ『眠れなくなる進化論の話』(ハインツ・ホライス、矢沢潔、三中信宏、河田雅圭、長野敬=著)の見本が出来てきました。


直観でわかる(?)カラーの折込「進化論マップ」もついております。



発売は、12月9日。どうぞよろしくお願いいたします。

2011年12月1日木曜日

そういえば、ナダールの穴

「はなまるマーケット」で思い出しましたが、「ナダールの穴」(フジテレビ、月曜深夜0:45~)という番組があります。中学時代をひきこもり生活で無にしてしまった千原ジュニアのもとに、あらゆるジャンルの達人が家庭教師としてやってきて、つめこみ教育をするという番組です。
で、先日11月28日に放送された回では、科学界のインディ・ジョーンズこと、吟遊科学者の長沼毅先生が登場されました。初めてまっとうな(?)先生がやってきたためか 、はたまた長沼先生の話がおもしろすぎたためか、一回の放送では収まりきらず、後日続編が放送されるようです(放送日は未定?)。どうぞチェックしてみてください。

そんな長沼先生の著作『14歳の生命論』が弊社より絶賛発売中です。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

はなまるマーケット

本日の「はなまるマーケット」(TBS)にて、弊社の手帳がいくつか紹介されていたようです。ご覧になった方いらっしゃいますでしょうか?
今年も残すところひと月となってしまいました。来年の手帳をご検討の方、お気に入りの手帳がなくなってしまう前に、早めのご購入をおすすめいたします。

2011年11月29日火曜日

週刊現代「なんなんだこの空気は」で…

今週発売の『週刊現代』(12月10日号)、日垣隆氏の連載「なんなんだこの空気は」の中で、なんと小社『ランナーズ手帳』をご紹介いただいております。(ありがとうございます!)

 
日垣隆氏には、近刊『つながる読書術』をはじめ、多くの著作がありますが、今回の記事では、そんな多忙な毎日を管理するための、氏の手帳術(の一端)も垣間見られます。
『ランナーズ手帳』の活用法もふくめ、ぜひご一読を! 

2011年11月24日木曜日

『ランニング・スタイル』に『ランナーズ手帳』が

11月22日発売の『ランニング・スタイル(2012年1月号 Vol.34)』(エイ出版社)に弊社『ランナーズ手帳 2012』が掲載されています。ありがとうございました。

ちなみに今回の『ランニング・スタイル』の特集は、「ランナーのための お悩み解消 ベストアンサー60」。『ランナーズ手帳 2012』の監修者、牧野仁コーチも回答されていますので、ぜひご一読を。

2011年11月22日火曜日

ずかんプランクトン

今日は、先日創刊になった「ずかん」シリーズのお話。シリーズといってもまだ1冊目が出たばかり。それが『ずかんプランクトン――見ながら学習、調べてなっとく』(11月4日発売)。


プランクトンというとみなさんは何を思い浮かべるでしょうか? ミジンコ? ゾウリムシ? ミドリムシ? 関係ないですが、ミジンコというとなぜか坂田明を思い浮かべてしまいますね(年がばれる?)。坂田明はジャズミュージシャンですが、ミジンコ研究家としても有名です。

それはともかく、本図鑑では小学校の理科で習うようなものだけではなく、さまざまな美しいプランクトンをたくさん紹介しています。たくさん紹介しているようですが、世界には実際もっと多くの種類がいます。本図鑑では、みなさんが近くの川や海で採集したプランクトンを調べやすいように、代表的な種にしぼって紹介しています。ぜひ親子で楽しんでいただければと思います。

2011年11月18日金曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-015

最近はスズメを見なくなったなあ、と思っていたら、先日こんなニュースが載っていました。「スズメ、20年で6割減少か 都市部での子育て難しく」(asahi.com)。以前は、テラスなどで食事をしていると、スズメがあたりをうろちょろしだすといったことがままあったような気がしますが、確かにそんな光景も減ったような気がします。
というわけで、今回は、『生物いまどき進化論――都市化がもたらす人工サバイバル』(藤本和典・著)です。
スズメにとっての受難は、やはりニュースにもあるように住宅構造の変化が大きいようです。
本書にも、屋根瓦(のすきま)をもつ建造物の減少にともない、極度の住宅難に陥っているスズメの苦難が書かれています。さらに東京などでは、ワカケホンセイインコ(もともとはペットだった)の勢力拡大により、巣作りに大変支障をきたしているようです。
こうした身近な生物が、私たちのまわりでどのように生活しているのか? 都市化によって、当の人間たちも「住みにくくなった」などとぼやいていますが、生き物たちにとってはどんなものなのか? 意外に「快適都市ライフ」をおくっている生き物や、厳しい都会の暮らしに(スズメのように)うちひしがれる生き物たちなど、本書にはさまざまなお話が登場します。現代都市における生き物たちのサバイバルする様子を、どうぞお楽しみください。

2011年11月15日火曜日

ランナーズ手帳が「お願い!ランキング」で第1位に!

昨日放送された『お願い!ランキング』(テレビ朝日)の「意外と知らない2012年 最新便利手帳ランキング!趣味編」にて、なんと弊社『ランナーズ手帳 2012』が堂々第1位にランキングされました(パチパチパチ)ランク付けをしてくれたのは手帳の達人、舘神龍彦さん(一部では「手帳王子」とも・・・)


だいぶ涼しく(というより寒く)なってきましたが、これからジョギング・ランニングをはじめてみようという方も、フルマラソンを目指して日夜トレーニングに励んでいる方も、A6サイズで持ち運びにも便利な『ランナーズ手帳 2012』をどうぞよろしくお願いいたします。

2011年11月14日月曜日

東京マラソン

先日、ちょこっと手帳の話題をいたしましたが、その中に『ランナーズ手帳 2012』というのがあります。実は編集子もノリで来年の東京マラソンにエントリーしていたのですが、なんと(意に反して)当選。速やかに記憶の彼方、忘却というお城に閉じ込めていたのですが、冬将軍に追い立てられ、天守閣から手をふる姿に、もう知らん振りもできまい、ということで走りはじめました。


さっそく『ランナーズ手帳』に記録を、と思いましたが、ウィークリースケジュールは11月末から。なんだ、まだあせることはないかとも思い、「トレーニングガイド」を読んでみると、なんとすでにレース前の「強化期」にはいっていなければならない時期であることに気づきました。
まあ、いまさらあせっても仕方ないので、とりあえず、年間スケジュールのページなどに「東京マラソン」(2月26日)などと書きつけながら、これからのトレーニングメニューを夢想し、来年のマラソン大会の予定を手繰っております。

というわけで、まあ「東京マラソン」はお祭り気分で参加、本格的(?)フルマラソン参戦は、『 ランナーズ手帳』とともに一年間地道なランニングをこなし、あらためて考えてみたいと思います。(『風が強く吹いている』(三浦しをん)を読んだばっかりに、なぜか走れる気になっている自分がいるのがちとこわい。関係ないですが、同作者の『舟を編む』もおもしろいのでおすすめです!)

2011年11月9日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-014

「田中最先端研究所(所長:田中耕一)の 佐藤孝明グループリーダーらは 米国のDaniel J. Capon(ダニエル・J・カポン)氏らと共同で、抗体が持つ「抗原との結合能力」を100倍以上向上させる基礎技術を開発」したそうです。

抗体といえば、一般的にY字型のモデルでその構造を表しますが、通常の抗体はそのくびれ部分(ヒンジ部)に自由度がほとんどありません。そのため抗原を捕捉できる位置が「点」であり、抗原と結合する能力が限られていたのですが、今回の研究では、抗体のヒンジ部に人工関節のようなバネ状構造を挿入することで、抗原結合部位に大幅な自由度を与える「可変抗体」を、化学合成により作成する方法を確立したとのことです。「点」から「面」へ、いや「立体」的な捕捉能力を得た抗体は、抗原に結合する能力を100倍以上向上できるのだとか。(詳しくはリリースをご参照ください)

これにより、将来的には、血液一滴からがんや成人病等を早期発見できる画期的診断システムの構築、さらには、最近注目されている抗体医薬の能力向上などに役立つことが期待されるとのこと。いやあ楽しみです。

というわけで、本題。 血液といえば、『とっても気になる血液の科学――からだのスミからスミまで大活躍』(奈良信雄・著)です。





血液は、私たちのからだにとってかけがえない臓器ですが(って、そもそも血液って臓器なんですか? というあたりが編集子の無知っぷりを示していますが)、普段そんなに意識している人は多くないかもしれません。しかし、人の血液型が気になるように、とっても気になる存在ではあるわけです。
血液の中身や役割もさることながら、血液検査にも注目です。いまや血液検査でいろんなことがわかってしまいます。昨夜あなたがこっそり食べたケーキのことも(いや、わからないかも)。本書(2010)が書かれた時点では「血液検査でわからない病気」に分類されている「多くのがん」も、上記の田中最先端研究所の研究のおかげでわかるようになるかもしれません。

この機会にぜひどうぞ。

2011年11月2日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-013

東京在住の方ならご存知でしょうが、池袋にあるサンシャインには、水族館があって、なんとそこにはペンギンがいます。都内でペンギンが見られる!ということで行ってみましたところ、想像と全然違うペンギンの群れがいました。そのとき、自分の大好きなペンギンは「コウテイ(エンペラー)ペンギン」なんだと知りました(そう、映画にもなった南極に住むやつです)。

ペンギンにもいろんな種類がいるんだ! というあたり前のようなことにいまさら気づき、それではとペンギン尽くしの一冊『やっぱりペンギンは飛んでいる――拝啓、ホントに鳥ですか?』で詳しく調べてみると、コウテイペンギンのように南極に住んでいるペンギンはごくわずかで、種類によっていろいろな場所に生息していることがわかりました。しかもカワイイばかりじゃないってことも……。
ペンギンはいったい何種類いるのか? ペンギンはなぜペンギンと呼ばれているのか? などなどペンギンの達人がすべて答えてくれる本書。水族館や動物園、映画やキャラクタグッズでペンギンに興味をもった瞬間から、あなたにとって必携の一冊となること、間違いありません。
(ちなみに、サンシャイン水族館のペンギンはケープペンギン。都内では上野や品川でも見られます!)

2011年10月31日月曜日

長沼毅『14歳の生命論』

先日も少しお伝えしました、吟遊科学者こと長沼毅先生の『14歳の生命論―生きることが好きになる生物学のはなし』(見本誌)が出来上がってまいりました(パチパチ)。発売は、11月8日になります。

「tanQブックス」シリーズのなかでも、特に14歳ぐらい(から)の十代の読者を意識して書かれた作品です。「いのち(生命)」というものがいかに奇跡的で面白い現象であるか、生物学的な側面から哲学的な側面まで、長沼節を味わいながら、いろいろと考えてみていただければ幸いです。もちろん、十代だけはなく、大人が読んでも歯ごたえがあると思います。お子さんといっしょにぜひどうぞ。
巻末には、なぞの「オマケページ」もあります。どうぞお楽しみに。

2011年10月27日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-012

今回ご紹介するのは『知るほどハマル!化学の不思議――見る目が変わる身近な世界』です。




こちらの本では、化学の目で見える、いろいろな事柄を紹介しています。ポップにもありますが、「氷の下のワカサギはなぜ凍らない?」「ボールペンとサインペンの違いは?」「なぜ牛乳は白いの?」……と、実際、身近なことなのに「化学の目」でしか見えない事柄はたくさんあります。たとえばいま問題の放射能(放射線)。マイナスイオンなんていうのも「化学の目」で見ないとちょっとなんだかわからないものの代表といった感じです。この本はそんな風に「化学の目」を利用して、身近なところから、宇宙まで見てしまいます。
見えるものだって紹介されています。たとえば「味噌と醤油の違いはなに?」ですが、「そもそも味噌と醤油は、見た目も味も全然違う!」などと言ってはいけません。あくまでも「化学の目」。味噌と醤油はどちらも同じ大豆をミンチして作られます。工程の違いから見た目も味も違う「味噌と醤油」に分かれるのです。
学校の授業で化学なんてつまらない!とのたまう学生諸兄、日々の話題づくりにいそしむ社会人のみなさん、ぜひ、化学的な目にハマってみてください。

2011年10月24日月曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-011

フジテレビ系日曜夜9時、昨日(10月23日)からスタートしたドラマ『僕とスターの99日』。主人公は、韓国の有名スター女優ハン・ユナ(キム・テヒ)とそのボディ・ガード並木航平(西島秀俊)。並木航平は、「『自分で星を発見したい』という夢を持ち、大学で天文学を専攻。卒業後は天文台に就職するが、10年勤め続けたある日とある事情で職を失い」といった役設定になっています。ハン・ユナが大切にしている北斗七星のキーホルダーを見て、妙な薀蓄を披瀝し、ハン・ユナに「?」という顔をされているあたりに、天文マニアの横顔が見てとれました。
というわけで無理やり感が漂う展開ですが、今回の本は『星空案内人になろう!―夜空が教室。やさしい天文学入門―』。

星空案内人とは、「豊富な知識と経験からおいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる」人のことで、資格認定制度もあるのです。
星空に関する幅広い知識(星空の文化、天文学の成果、観測機器の操作法など)を身につけて星空のソムリエとなれば、ハン・ユナ(キム・テヒ)のような美しい女性を振り向かせることもできるかもしれませんね。
ところで、並木航平は、「今日から99日間、ハン・ユナのボディ・ガードをせよ」と命じられたとき、「いや、その日はこぐま座流星群を見なくちゃいけないので」とかなんとか言って仕事を断ろうとしていましたが、そういった天文イベントをチェックするなら、こちらも便利です。
星空案内ダイアリー 2012

あわせてどうぞ。

2011年10月21日金曜日

14歳の生命論――生きることが好きになる生物学のはなし

吟遊科学者・長沼毅先生の『14歳の生命論』がもうすぐ発売になります。ちょっと先取りして、カバーの色校をお見せしちゃいましょう。
イラストは大高郁子さん。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ちょっとキラキラした、ラメ入りの紙(ミランダスノーホワイトという紙)に、少しとぼけたような大高さんのイラストがいい感じ(かと思いますがいかがでしょう?)。

発売は10月29日を予定しています。
内容についてはまたあらためてお知らせしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

2011年10月20日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-010

最近ではすっかり話題にのぼらなくなった地球温暖化問題。京都議定書の期限が2013年と迫っているのですが、次の枠組みは見えていません。鳩山前首相が、世界に向けて英語で演説したあの頃は、温度が上がっている、いや下がっている、人間活動の影響だ、いや地球の自然現象だ、などと白熱した議論がありましたが、今ではすっかり話題にならなくなってしまったようです。
「知りたい!サイエンス」シリーズでは、比較的早期に地球温暖化問題に関する書籍を刊行しています。それが、『地球温暖化は本当か?―宇宙から眺めたちょっと先の地球予測―』です。


 当時は、どちらかといえば、地球温暖化の影響を危惧するむきが多勢であり、主因ともいえるCO2削減が盛んに叫ばれていたように思います。「地球温暖化は本当か」という問いは、すでに政治的な問題となっていた「地球温暖化論争」を、もう一度科学の目できちんと見直してみようという問いかけでもありました。当時から世界には温暖化を唱える科学者ばかりがいたわけではありませんでした。また、単純に温暖化している/していないの両極端に分かれているというわけでもなかったはずです。
そういった意味で、多様な意見をとりあげながら、地球環境の科学的理解をうながそうというのが本書の狙いでもありました。(話題として)新しい古いではなく、地球環境について学んでみたいと考えるむきには、今読んでもおもしろい本だと思います。

あと、「地球温暖化論」というのは、科学的に議論する、科学的にものを考える、といったことがどういうことかを知るのに格好の素材でもあります。温暖化していることをどのように認識し、なおかつ温暖化の影響をいかなる合理性をもって予測していくか、そしてそれについてどのように議論していくことが大切か、温暖化している/していないといった論争の次のステージを考えよう、というこちらの本もお勧めです。あわせてどうぞ。
枝廣淳子、江守正多、武田邦彦・著『温暖化論のホンネ―「脅威論」と「懐疑論」を超えて

2011年10月19日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-008_009(電子書籍化するとしたら?)

100巻を突破し、先日紹介したあの人の声はなぜ魅力的なのかが104巻目となる知りたいサイエンスシリーズですが、電子ブック化できたらいいよね~、といった声もちらほら聞こえてきます(どこから?)。そこで、なのですが、もし電子ブックにしてほしいとしたら、どのタイトルでしょうか?
へんな毒すごい毒』は発売以来一番人気ですが、もしかすると、電子ブックでは『クラゲのふしぎ』や『海野和男 昆虫擬態の観察日記』のような写真がいっぱいあるものや、




有機化学美術館へようこそ』のような眺めて楽しい本かもしれませんね。



もうすぐ発売になる上記の『あの人の声はなぜ魅力的なのか』が音声付で読めたりというのも楽しいですね。そんな風に妄想している編集部です。

2011年10月18日火曜日

『あの人の声はなぜ魅力的なのか』近日発売

 鈴木松美・著『あの人の声はなぜ魅力的なのか――惹かれる声と声紋の科学』がまもなく発売になります(10月21日発売予定)。
 あのアナウンサーの声の秘密から、「振り込め詐欺」における声の分析まで、さまざまな「声の秘密にズームイン」しています。声はどのように発生し、どのように(個性をもって)伝わるのか? いい声、わるい声ってなんだろう? そんな疑問をお持ちの方も、カラオケがうまくなりたいー! モテ声(?)に興味のあるー! といった方も、ぜひぜひご覧ください。 







2011年10月14日金曜日

遺伝子・DNAがわかる

当編集部では、知りたい!サイエンスシリーズとは別に、初学者向けにファーストブックというシリーズも発刊しております。今回は趣向を変えて、そのファーストブックシリーズの最近刊から一冊。『遺伝子・DNAがわかる』をご紹介します。

本書は、ご存知の方も多いと思われますが、TBSでドラマ化された『獣医ドリトル』の原作者、夏緑さんが執筆しています。そして、遺伝子・DNAのしくみをもっともっと楽しく理解できるように真右衛門さんによるマンガ『めぐりあう遺伝子~桃姫の大冒険』全27話を収録。中身をちょっとだけお見せしますと、下のような感じです。

●第一話 マンガ『めぐりあう遺伝子~桃姫の大冒険』「桃から生まれた染色体」




●本文とイラスト



遺伝子は難しいなぁ、とお感じの方、特におすすめです! 最寄りの書店で本書をぜひご覧ください!

2011年10月13日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-007

 先週はノーベル賞の発表があり、今年も日本人受賞者が出るのでは、と盛り上がっておりました。残念ながら期待どおりにはいきませんでしたが、惜しかったのは、ノーベル生理学医学賞
 特に「自然免疫の活性化に関わる発見」によりブルース・ボイトラー氏ジュールズ・ホフマン氏とが受賞されましたが、自然免疫といえば、国内でも大阪大学の審良静男(あきら・しずお)教授の研究が著名なところ。特に昨年、審良教授は、ホフマン氏とともに慶應医学賞しており、残念です(慶應医学賞受賞者から過去5人、ノーベル賞受賞者を輩出しているそうなので、ホフマン氏は6人目か)。
  というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第7回目は、審良静男研究室・監修、坂野上淳・著新しい自然免疫学―免疫システムの真の主役』です。


  免疫と聞くと、一般的は「一度かかった病気には二度かからない」といった「獲得免疫」と呼ばれるものを思い浮かべる方が多いかもしれません。免疫学の世界でもその図式は変わらず、研究の主役は「獲得免疫」でした。しかし、20世紀も終わりに近づいたころ、突如「自然免疫」(もともと備わっている免疫機能)が脚光をあびることになります。そのきっかけをつくったのが、今回ノーベル賞を受賞された、ブルース・ボイトラー氏であり、ジュールズ・ホフマン、審良静男両氏であるわけです。
 今回、 審良教授が受賞を逃したのは残念ですが、その功績は受賞者に対しても決してひけをとるものではないはずです。詳しいところはぜひ本書でご確認いただければと思います。「自然免疫」が脚光を浴びるまでのヒストリーとともに、審良研究室の成果が詳しくわかります。巻末には審良教授のインタビューも掲載しています。

2011年10月11日火曜日

井沢元彦の歴史手帳 2012

前に紹介した手帳のなかでも、歴史ファン必見の『井沢元彦の歴史手帳 2012』ですが、紀伊国屋書店新宿本店さんでは5Fレジ横と手帳コーナーに置いていただいてます。それを写真に撮ったのですが、大ピンボケと手が入ってしまいました(汗)。ジュンク堂新宿店さんでは7F日本史読み物のコーナーに置いていただいています。





もうひとつ、歴史ファンに見逃せない情報があります。「井沢元彦の『逆説の日本史』」ならぬ『逆説の世界史』が小学館のホームページで連載されています。購読料はありません。なんと、誰でも無料で読めてしまいます。第1回から面白かったです。下記のリンクから連載ページにいけます。
「井沢元彦 逆説の世界史」

2011年9月21日水曜日

2012年手帳

台風で電車がとまっているようなので、ちょっと新刊情報を。
今回は鬼も笑うという来年のお話です。

当編集部ではサイエンス書以外にも密かに手帳なぞも作っております。


これまで、『ムーン・ダイアリー』1冊のみでしたが、今年はなんと新たに6冊をラインナップ!(『ムーン・ダイアリー'12』はすでに発売中)

 

左上から時計まわりに、
井沢元彦の歴史手帳 2012』
日本の伝統祭り手帳 2012』
『星空案内ダイアリー2012』
『ランナーズ手帳 2012』
家族で楽しむイベント手帳 2012』
動物園・水族館手帳 2012』

以上、6点、すべて9月29日の発売です。
来年の手帳を考える際には、ぜひご検討ください。

2011年9月7日水曜日

『入門!超分子化学』近日発売

知りたい!サイエンスシリーズ、齋藤勝裕・著『入門!超分子化学』が9月9日より発売になります。



超分子化学というのは、比較的新しい研究領域ということもあるのでしょうが、ちょっと一般には馴染みのない言葉かもしれません。でも実はいまや、非常に活発で、重要な化学領域の一つとなっているのです。

そう聞くと、先端科学のようで、なにか難しそうというイメージを抱かれるかもしれませんが、 意外と身近なところにも超分子構造はひそんでいます。どのくらい身近かというと、私たちのからだも言ってしまえば、精妙に織りなされた超分子の一つ、というくらいの身近さなのです。

というわけで、化学が苦手なあなたも、この本を読めばきっと超分子に親しみをもっていただけるのではないかと思います。 ぜひよろしくお願いいたします。

2011年8月26日金曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-006

すごい雨ですね(@市ヶ谷)。
というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第6回は、『都市型集中豪雨はなぜ起こる? −台風でも前線でもない大雨の正体−』(三上岳彦・著)です。




雨はどうして降るのか? といった素朴な疑問から、都市型集中豪雨の起こるメカニズム、都市型豪雨(による災害)をふせぐ方法(対策)にまで言及しています。
ぜひお手にとってご覧ください。

2011年8月19日金曜日

『理系なお姉さんは苦手ですか?』書評掲載

先日(8月17日)の日本経済新聞夕刊、書評欄(「目利きが選ぶ今週の3冊」)にて、『理系なお姉さんは苦手ですか?』を取り上げていただきました。





 竹内薫さま、どうもありがとうございました。



2011年8月17日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-005

本日8月17日は、フェルマーの誕生日です(1601年8月17日といわれている)。Googleのロゴも「フェルマーの最終定理」がテーマとなっております。


というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第5回は、『人に話したくなる数学おもしろ定理』(関根章道・著)です。



前回紹介した、『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』と同様、本書の「おもしろ定理」もまずは「ピタゴラスの定理」の解説からはじまります。「いとへん(糸)」の漢字を思いつくだけ書きなさい、という問題のように、「○○の定理」を思いつくだけ書きなさいという問題が出たとしたら、やはり一番に書くのはピタゴラスの定理(三平方の定理)ではないでしょうか? そして、その次あたりが「フェルマーの最終定理」、いや、余弦定理とか二項定理、チェバとかメネラウスとか、人によってもいろいろでしょうが。

さて、そのフェルマーの最終定理のかげにかくれてあまり一般に知られていないかもしれない「フェルマーの小定理」というのがあります。本書でも紹介されていますので、ちょっと引用してみましょう。

フェルマーの小定理
pを素数とし、apの倍数でない整数(apは互いに素)とするときに、
 ap-1-1はpの倍数
となる。

pを5、aを3とすると、
35-1-1=34-1=81-1=80
となり、5の倍数になります。

フェルマーの小定理は、ドイツのライプニッツによってはじめて証明されたそうですが、その使い方はいかに、というわけで以下のような例が載っています。

「2100を97で割ると余りはいくつ?」と聞かれたら、大変な計算をしなくてはなりません(ちなみに2100は31桁の数になります)。フェルマーの小定理を使うと、p=97で297-1-1は97の倍数となるので、……

というわけで、続きは是非本書でお確かめください。

2011年8月16日火曜日

『大気の進化46億年 O2(さんそ)とCO2(にさんかたんそ)』近日発売

田近英一・著『大気の進化46億年 O2(さんそ)とCO2(にさんかたんそ)』が8月20日より発売になります。
私たち生命に欠かせない酸素と二酸化炭素。まさに空気のような存在である2つの物質が現在のように動的平衡状態にある不思議さ、どこからやってきて、どこへいくのか。46億年の地球史を考えるうえでも、今後の地球環境や地球外生命の存在を考えるうえでも、必読の書です。





2011年8月15日月曜日

今週末は「サイエンスを諦めきれない人たち」

以前からお伝えしておりますが、今週末8月20日(土)19:30~、ジュンク堂書店 池袋本店4階カフェにて、トークイベント「サイエンスを諦めきれない人たち」を行います。
まだ、若干席に余裕があるようですので、もしご興味のある方は、急いで予約をお願いいたします。

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『理系なお姉さんは苦手ですか?』発売記念
内田麻理香先生×小島寛之先生トーク&サイン会
日時:8月20日(土)19:30~(19:00開場)
場所:ジュンク堂書店 池袋本店4階カフェ
定員:40名
入場料:1000円(ワンドリンク付き)
お申し込みは池袋本店1Fサービスカウンターまで(電話:03-5956-6111)。
詳細はジュンク堂書店様のページをご覧ください。

2011年8月11日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-004

「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第4回は、『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論――時空の謎を解く双曲幾何』(見城尚志、佐野茂・著)です。




ピタゴラスの定理(三平方の定理)をみなさんは覚えてますか? 直角三角形に関する定理でポップにも書かれているような式で表されるものです。このような数の組み合わせには、すぐ思いつくもので(3,4,5)などがあります。3の2乗(9)+4の2乗(16)=5の2乗(25)です。このような自然数の組はピタゴラス数と呼ばれ、たとえば(5,12,13)などがあります。お時間があればピタゴラス数をいろいろと探してみると面白いかもしれません。
では、これが3乗になったらどうなるでしょうか? 実は解はないそうです(3以上の場合、自然数解がない)。これが、1994年にワイルズによって解決されたフェルマー予想(フェルマーの最終定理)と呼ばれるものです。こちらの証明については余白もないのでまたにしたいと思いますが(笑)、ピタゴラスの定理の証明って、みなさんは考えたことがありますか? 公式をただ覚えただけって方も多いでしょうか?
ピタゴラスの定理の証明方法は、実に何百種類もあるそうです。簡単なものだと相似形を使ったものがあります。アインシュタインが12歳のときに自身で証明したのも、相似を利用したものだったそうです。実際の証明については本書で確認してみてください。
歴史的にみると、ピタゴラスのあとにギリシアでは幾何学が発展することになりますが、その極みがユークリッドの登場、そして『原論』(ユークリッド原論)という形でまとめられた数学書の誕生です。ユークリッド幾何学といわれるのものはこの中に含まれています。特に有名なのが「平行線の公理」と言われるもので、これを端緒として、やがて(といっても数千年を経て)非ユークリッド幾何へと発展していくわけですが、その数学としての発展と、アインシュタインの相対性理論というのがいかに結びついていくか、といったところが本書の醍醐味でもあります。

弊社のウェブ(gihyo.jp)に、
書籍『ピタゴラスの定理でわかる相対性理論』をより面白く、深く読んでいただくための補講(全16回)
が掲載されています。是非ご一読いただければと思います。記事の最後に著者による「本書の意義」が記されていますので、最後にこちらを引用しておきましょう。

(1)特殊相対性理論と非ユークリッド幾何の結びつけ
相対性理論のほとんどというよりすべての本が、特殊相対性理論のあとで一般相対性理論と非ユークリッド幾何とを結びつけています。つまり、重力とは空間の曲がりであるとする理論ですが、そこで初めてリーマンの非ユークリッド幾何が登場します。たしかに、アインシュタインがクラスメートでETHの数学の教授になっていたグロスマンの手ほどきでリーマン幾何を勉強したのは1910年ごろからでしたし、相対性理論をさらに発展させて重力の問題をテーマにするときでした。
実は、本書はアインシュタインも気づいていなかった数学を語ったとも言えます。リーマン幾何は双曲幾何だけなくユークリッド幾何も球面幾何も統合した幾何です。特殊相対性理論の時空は双曲幾何空間の典型的な事例だったのです。数学者によって人工的に作られたと思われた非ユークリッド空間が実は宇宙空間だったという物語です。これをまとまった形で語ったのは本書が世界初だと思います。 
(2)これをカットなしに高校生の数学レベルの数学で論じきった。
この類の本の著者や編集者は、多くの読者には難しいだろうから数式やその解説をカットして日常用語で無理に語ろうとするために、かえってわかりづらくなります。しっかり語る本が高校生のために必要です。湯川は、第三高等学校時代に、図書館にドイツから送られてくる物理学雑誌を、鼠が餌をかじるように読んでいたということです。そのうちに量子力学の発展のために自分の出番がなくなってしまうのではないかと不安でならなかったとも書いています。今だってそういう高校生がいるはずです。そういう若人に満足していただける本がなくてはいけないと思います。