2011年10月13日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-007

 先週はノーベル賞の発表があり、今年も日本人受賞者が出るのでは、と盛り上がっておりました。残念ながら期待どおりにはいきませんでしたが、惜しかったのは、ノーベル生理学医学賞
 特に「自然免疫の活性化に関わる発見」によりブルース・ボイトラー氏ジュールズ・ホフマン氏とが受賞されましたが、自然免疫といえば、国内でも大阪大学の審良静男(あきら・しずお)教授の研究が著名なところ。特に昨年、審良教授は、ホフマン氏とともに慶應医学賞しており、残念です(慶應医学賞受賞者から過去5人、ノーベル賞受賞者を輩出しているそうなので、ホフマン氏は6人目か)。
  というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第7回目は、審良静男研究室・監修、坂野上淳・著新しい自然免疫学―免疫システムの真の主役』です。


  免疫と聞くと、一般的は「一度かかった病気には二度かからない」といった「獲得免疫」と呼ばれるものを思い浮かべる方が多いかもしれません。免疫学の世界でもその図式は変わらず、研究の主役は「獲得免疫」でした。しかし、20世紀も終わりに近づいたころ、突如「自然免疫」(もともと備わっている免疫機能)が脚光をあびることになります。そのきっかけをつくったのが、今回ノーベル賞を受賞された、ブルース・ボイトラー氏であり、ジュールズ・ホフマン、審良静男両氏であるわけです。
 今回、 審良教授が受賞を逃したのは残念ですが、その功績は受賞者に対しても決してひけをとるものではないはずです。詳しいところはぜひ本書でご確認いただければと思います。「自然免疫」が脚光を浴びるまでのヒストリーとともに、審良研究室の成果が詳しくわかります。巻末には審良教授のインタビューも掲載しています。

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