2011年10月31日月曜日

長沼毅『14歳の生命論』

先日も少しお伝えしました、吟遊科学者こと長沼毅先生の『14歳の生命論―生きることが好きになる生物学のはなし』(見本誌)が出来上がってまいりました(パチパチ)。発売は、11月8日になります。

「tanQブックス」シリーズのなかでも、特に14歳ぐらい(から)の十代の読者を意識して書かれた作品です。「いのち(生命)」というものがいかに奇跡的で面白い現象であるか、生物学的な側面から哲学的な側面まで、長沼節を味わいながら、いろいろと考えてみていただければ幸いです。もちろん、十代だけはなく、大人が読んでも歯ごたえがあると思います。お子さんといっしょにぜひどうぞ。
巻末には、なぞの「オマケページ」もあります。どうぞお楽しみに。

2011年10月27日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-012

今回ご紹介するのは『知るほどハマル!化学の不思議――見る目が変わる身近な世界』です。




こちらの本では、化学の目で見える、いろいろな事柄を紹介しています。ポップにもありますが、「氷の下のワカサギはなぜ凍らない?」「ボールペンとサインペンの違いは?」「なぜ牛乳は白いの?」……と、実際、身近なことなのに「化学の目」でしか見えない事柄はたくさんあります。たとえばいま問題の放射能(放射線)。マイナスイオンなんていうのも「化学の目」で見ないとちょっとなんだかわからないものの代表といった感じです。この本はそんな風に「化学の目」を利用して、身近なところから、宇宙まで見てしまいます。
見えるものだって紹介されています。たとえば「味噌と醤油の違いはなに?」ですが、「そもそも味噌と醤油は、見た目も味も全然違う!」などと言ってはいけません。あくまでも「化学の目」。味噌と醤油はどちらも同じ大豆をミンチして作られます。工程の違いから見た目も味も違う「味噌と醤油」に分かれるのです。
学校の授業で化学なんてつまらない!とのたまう学生諸兄、日々の話題づくりにいそしむ社会人のみなさん、ぜひ、化学的な目にハマってみてください。

2011年10月24日月曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-011

フジテレビ系日曜夜9時、昨日(10月23日)からスタートしたドラマ『僕とスターの99日』。主人公は、韓国の有名スター女優ハン・ユナ(キム・テヒ)とそのボディ・ガード並木航平(西島秀俊)。並木航平は、「『自分で星を発見したい』という夢を持ち、大学で天文学を専攻。卒業後は天文台に就職するが、10年勤め続けたある日とある事情で職を失い」といった役設定になっています。ハン・ユナが大切にしている北斗七星のキーホルダーを見て、妙な薀蓄を披瀝し、ハン・ユナに「?」という顔をされているあたりに、天文マニアの横顔が見てとれました。
というわけで無理やり感が漂う展開ですが、今回の本は『星空案内人になろう!―夜空が教室。やさしい天文学入門―』。

星空案内人とは、「豊富な知識と経験からおいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる」人のことで、資格認定制度もあるのです。
星空に関する幅広い知識(星空の文化、天文学の成果、観測機器の操作法など)を身につけて星空のソムリエとなれば、ハン・ユナ(キム・テヒ)のような美しい女性を振り向かせることもできるかもしれませんね。
ところで、並木航平は、「今日から99日間、ハン・ユナのボディ・ガードをせよ」と命じられたとき、「いや、その日はこぐま座流星群を見なくちゃいけないので」とかなんとか言って仕事を断ろうとしていましたが、そういった天文イベントをチェックするなら、こちらも便利です。
星空案内ダイアリー 2012

あわせてどうぞ。

2011年10月21日金曜日

14歳の生命論――生きることが好きになる生物学のはなし

吟遊科学者・長沼毅先生の『14歳の生命論』がもうすぐ発売になります。ちょっと先取りして、カバーの色校をお見せしちゃいましょう。
イラストは大高郁子さん。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ちょっとキラキラした、ラメ入りの紙(ミランダスノーホワイトという紙)に、少しとぼけたような大高さんのイラストがいい感じ(かと思いますがいかがでしょう?)。

発売は10月29日を予定しています。
内容についてはまたあらためてお知らせしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

2011年10月20日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-010

最近ではすっかり話題にのぼらなくなった地球温暖化問題。京都議定書の期限が2013年と迫っているのですが、次の枠組みは見えていません。鳩山前首相が、世界に向けて英語で演説したあの頃は、温度が上がっている、いや下がっている、人間活動の影響だ、いや地球の自然現象だ、などと白熱した議論がありましたが、今ではすっかり話題にならなくなってしまったようです。
「知りたい!サイエンス」シリーズでは、比較的早期に地球温暖化問題に関する書籍を刊行しています。それが、『地球温暖化は本当か?―宇宙から眺めたちょっと先の地球予測―』です。


 当時は、どちらかといえば、地球温暖化の影響を危惧するむきが多勢であり、主因ともいえるCO2削減が盛んに叫ばれていたように思います。「地球温暖化は本当か」という問いは、すでに政治的な問題となっていた「地球温暖化論争」を、もう一度科学の目できちんと見直してみようという問いかけでもありました。当時から世界には温暖化を唱える科学者ばかりがいたわけではありませんでした。また、単純に温暖化している/していないの両極端に分かれているというわけでもなかったはずです。
そういった意味で、多様な意見をとりあげながら、地球環境の科学的理解をうながそうというのが本書の狙いでもありました。(話題として)新しい古いではなく、地球環境について学んでみたいと考えるむきには、今読んでもおもしろい本だと思います。

あと、「地球温暖化論」というのは、科学的に議論する、科学的にものを考える、といったことがどういうことかを知るのに格好の素材でもあります。温暖化していることをどのように認識し、なおかつ温暖化の影響をいかなる合理性をもって予測していくか、そしてそれについてどのように議論していくことが大切か、温暖化している/していないといった論争の次のステージを考えよう、というこちらの本もお勧めです。あわせてどうぞ。
枝廣淳子、江守正多、武田邦彦・著『温暖化論のホンネ―「脅威論」と「懐疑論」を超えて

2011年10月19日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-008_009(電子書籍化するとしたら?)

100巻を突破し、先日紹介したあの人の声はなぜ魅力的なのかが104巻目となる知りたいサイエンスシリーズですが、電子ブック化できたらいいよね~、といった声もちらほら聞こえてきます(どこから?)。そこで、なのですが、もし電子ブックにしてほしいとしたら、どのタイトルでしょうか?
へんな毒すごい毒』は発売以来一番人気ですが、もしかすると、電子ブックでは『クラゲのふしぎ』や『海野和男 昆虫擬態の観察日記』のような写真がいっぱいあるものや、




有機化学美術館へようこそ』のような眺めて楽しい本かもしれませんね。



もうすぐ発売になる上記の『あの人の声はなぜ魅力的なのか』が音声付で読めたりというのも楽しいですね。そんな風に妄想している編集部です。

2011年10月18日火曜日

『あの人の声はなぜ魅力的なのか』近日発売

 鈴木松美・著『あの人の声はなぜ魅力的なのか――惹かれる声と声紋の科学』がまもなく発売になります(10月21日発売予定)。
 あのアナウンサーの声の秘密から、「振り込め詐欺」における声の分析まで、さまざまな「声の秘密にズームイン」しています。声はどのように発生し、どのように(個性をもって)伝わるのか? いい声、わるい声ってなんだろう? そんな疑問をお持ちの方も、カラオケがうまくなりたいー! モテ声(?)に興味のあるー! といった方も、ぜひぜひご覧ください。 







2011年10月14日金曜日

遺伝子・DNAがわかる

当編集部では、知りたい!サイエンスシリーズとは別に、初学者向けにファーストブックというシリーズも発刊しております。今回は趣向を変えて、そのファーストブックシリーズの最近刊から一冊。『遺伝子・DNAがわかる』をご紹介します。

本書は、ご存知の方も多いと思われますが、TBSでドラマ化された『獣医ドリトル』の原作者、夏緑さんが執筆しています。そして、遺伝子・DNAのしくみをもっともっと楽しく理解できるように真右衛門さんによるマンガ『めぐりあう遺伝子~桃姫の大冒険』全27話を収録。中身をちょっとだけお見せしますと、下のような感じです。

●第一話 マンガ『めぐりあう遺伝子~桃姫の大冒険』「桃から生まれた染色体」




●本文とイラスト



遺伝子は難しいなぁ、とお感じの方、特におすすめです! 最寄りの書店で本書をぜひご覧ください!

2011年10月13日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-007

 先週はノーベル賞の発表があり、今年も日本人受賞者が出るのでは、と盛り上がっておりました。残念ながら期待どおりにはいきませんでしたが、惜しかったのは、ノーベル生理学医学賞
 特に「自然免疫の活性化に関わる発見」によりブルース・ボイトラー氏ジュールズ・ホフマン氏とが受賞されましたが、自然免疫といえば、国内でも大阪大学の審良静男(あきら・しずお)教授の研究が著名なところ。特に昨年、審良教授は、ホフマン氏とともに慶應医学賞しており、残念です(慶應医学賞受賞者から過去5人、ノーベル賞受賞者を輩出しているそうなので、ホフマン氏は6人目か)。
  というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第7回目は、審良静男研究室・監修、坂野上淳・著新しい自然免疫学―免疫システムの真の主役』です。


  免疫と聞くと、一般的は「一度かかった病気には二度かからない」といった「獲得免疫」と呼ばれるものを思い浮かべる方が多いかもしれません。免疫学の世界でもその図式は変わらず、研究の主役は「獲得免疫」でした。しかし、20世紀も終わりに近づいたころ、突如「自然免疫」(もともと備わっている免疫機能)が脚光をあびることになります。そのきっかけをつくったのが、今回ノーベル賞を受賞された、ブルース・ボイトラー氏であり、ジュールズ・ホフマン、審良静男両氏であるわけです。
 今回、 審良教授が受賞を逃したのは残念ですが、その功績は受賞者に対しても決してひけをとるものではないはずです。詳しいところはぜひ本書でご確認いただければと思います。「自然免疫」が脚光を浴びるまでのヒストリーとともに、審良研究室の成果が詳しくわかります。巻末には審良教授のインタビューも掲載しています。

2011年10月11日火曜日

井沢元彦の歴史手帳 2012

前に紹介した手帳のなかでも、歴史ファン必見の『井沢元彦の歴史手帳 2012』ですが、紀伊国屋書店新宿本店さんでは5Fレジ横と手帳コーナーに置いていただいてます。それを写真に撮ったのですが、大ピンボケと手が入ってしまいました(汗)。ジュンク堂新宿店さんでは7F日本史読み物のコーナーに置いていただいています。





もうひとつ、歴史ファンに見逃せない情報があります。「井沢元彦の『逆説の日本史』」ならぬ『逆説の世界史』が小学館のホームページで連載されています。購読料はありません。なんと、誰でも無料で読めてしまいます。第1回から面白かったです。下記のリンクから連載ページにいけます。
「井沢元彦 逆説の世界史」